2019/05/04 22:18
お母さんからの贈り物の僕の弟は
"うさぎ"だった
小さい頃
僕は時々
大人の話を聞きながら
"大人になったら子供でもわかるようなことがわからなくなるのかな?それとも、忘れちゃうのかな?"
と大人を不思議に思ってた
(例:社会の授業で戦争の話を聞いた時も爆弾を落とすと沢山の人が亡くなって、そしたらみんな悲しくなるのは子供でもわかるのにどうして落としたんだろ?とか)
僕の手の中で前々からずっと座ってたみたいに座ってる
"うさぎ"を弟というのも
そんなような不思議なことに最初はおもった
でも、お母さんはすごく嬉しそうで楽しそうで幸せそうに
「弟に名前をつけないと」
というから僕は弟用の名前を考えようとした
あいかわらず
"うさぎ"は僕をゆっくり見上げいて
ヒクヒクする鼻はまるで独り言を言ってるように見えた
「キミの弟じゃないよ」って。
僕は兄弟のいる友達の名前とその友達の兄弟の名前を
頭に浮かべた
弟なんだから〇〇タロウにしなくちゃ
うさタロウ?うータロウ? ラビタロウ?なんだよそれ?
僕は
そろそろ大人になり始める時期に近づいてきた頃の
歳だったからどう考えても
"うさぎ"が弟に思えなくて
でも、、お母さんにとって僕はまだ
小さな子供のままで。。
(たぶん僕の鼻もヒクヒクしてたんだろな)
僕は相変わらず
弟を見つめ続けて、思い切って
"うさぎ!うさぎだから(←ここまではミュート状態)
「びっと!びっとだよ弟だけどびっと!」"と、
声にしたら
おばあちゃんがゆっくりと
「ケンちゃんのめんけーお友達はびーちゃんって言うんだな」って。。
ん?んん?
「なんか違うよ、全然違うよ!そんなこといってないよ
でも、そうあってるよ!弟じゃないよ ごめんねおかあさ
ん弟じゃなくてもいい?そうだよ友達だよ!
名前だってびーちゃんじゃないよ なんか違うよ びっとも
違うし。。びっさん!そう、びっさんだよ!」と、
びっさんじゃなくてお母さんを見つめながら
泣きそうに言った らしい
びっさんの名前の由来を
僕はうっすらと
お母さんははっきりと
おばあちゃんは、んだんだびっさんはめんけかっただな
と、いうふうに覚えている
それと、、
僕はお母さんに
「弟じゃないよ"うさぎ"だよ」と
なかなか言えなかったことはわりとはっきり
今も覚えている
「弟じゃない」と言ったら悲しむかもと
思いやる気持ちを
その頃、頭でも僕は知って(その前までは
きっと心だけで)
その気持ちは自然で透明だった
こうして
"うさぎ"はあっさりと僕の弟じゃなくなって
僕の友達の名前はびっさんになった
そして
びっさんの名前をつける時
僕は大人になりはじめだんだと思う
p.s
明日は子供の日だ
これを書きながら
小さい時の僕から大人になった僕へのメッセージが
とどいたように思った
"大人になったら子供でもわかるようなことが
分からなくなるのかな?忘れちゃうのかな?"
(びっさんとの話はまた今度書きます)